よくお問い合わせをいただくのが「3歳からレッスンできますか?」ということです。
結論からいうと「できます」。
ただし、ピアノに向かって曲を弾くスタイルの小学生がやっているような形ができるかどうかはお子様の集中力によります。3歳のお子さんがピアノの前に30分座り続けていられたらそれはかなり天才的と言ってもいいと思います。集中力が続かないほうが普通といってもいいでしょう。その場合も、歌ったりリズムをとったり音符をお絵かきしたり、耳が鋭敏な時期ですので、育てるべきことはたくさんあります。特に、絶対音感はこの時期に訓練するのが最適なので、とても貴重な時期でもあります。3歳でレッスンにいらしたお子さんとはそういった3歳の時期に必要なことをやりながらピアノを少しずつ触っていきます。
ただ、ピアノを弾く以外の音感を育てている活動は、見た目には「ピアノのレッスン」っぽく見えないから、満足できないという方もいるかもしれません。手も小さくて、大人用のピアノを弾くのはとっても大変ですから、すぐに何か曲が弾けることばかりを期待するのは、残念ながら気が早いことが多いです。
まずピアノが弾けるには、12345の数がわかって、親指から小指まで1本ずつ動かせて、歌が歌えて、リズムがとれて、楽譜が読めるためには字もよめるぐらいの理解力があり、折り紙でひとりで何か上手に折れるぐらいの手先の器用さが必要なのです。3歳では、まだそれらができるかどうか、またはそれ以前の段階というお子様の方が多いでしょう。
中には、発達が早くて、3歳でもどんどんピアノが弾けちゃう、楽譜が読めちゃうお子様もいます。ただ全員がそうとは限らないし、3歳の時点で早々にいろいろできないからといってがっかりするほどのことでもありません。人それぞれに時期というのがあるのです。急いで花を咲かせなさいとつぼみに怒鳴ったり、むやみに水や肥料をあげてもすぐく花が開くわけではない。逆に枯らしてしまう可能性もあります。
レッスンに通うならすぐに何か弾けるようになってほしい、そう感じる保護者の方はもっと大きくなってから、5歳か6歳ぐらいからレッスン開始でもいいでしょう。絶対音感も3歳から始めたら100パーセントつく保証があるわけでもないですし、天才的な才能がある場合は親が放置していても勝手に覚えて弾き始めるので、心配しなくても大丈夫です。
ただ、家庭や幼稚園・保育園のなかに歌や音楽が満ち溢れて、親子で音楽を楽しむ気持ちや時間の余裕があればいいのですが、最近それがなくなってしまっているのが大変気がかりです。レッスンに来るにしても来ないにしても、3歳は耳や感覚がものすごく育つ時期なので、歌ったり身体を動かしたりする時間を短くてもいいので大切にしてあげてほしいと思います。
お勉強だからと思いながらきっちりやると、音楽的にエネルギーが希薄になりますので、ぶちきれるぐらいではじけて楽しむのがクオリティの高い音楽経験になるポイントです。
見た目はピアノのレッスンらしくなくても気にしない、いい音、いいリズム、楽しい歌を大切にしっかりインプットして、ピアノにつなげるクオリティの高い音楽の時間を子どもに過ごしてほしいという方は3歳でもぜひレッスンにいらしてください。
結構座って話もきけて手も動くという3歳児さんにはどんどん弾かせて教えていきますので、そこもご心配なく。
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